ロケットエンジンモジュールで最も一般的に使用される合金は、極端な高温、高圧、そして厳しい化学環境に耐えられる材料です。NewayAero が取り扱う材料ラインアップに基づくと、以下の合金がロケットエンジン用途で特に好まれて採用されています。

Inconel 718:優れた高温強度と耐食性で知られ、燃焼室、タービンブレード、その他のロケットエンジン部品に広く使用されています。
Inconel 625:高温酸化に対する優れた耐性を備えており、ノズルライナー、排気ダクト、高応力部位などの用途に適しています。
Inconel X-750:ガスタービンでよく使用される合金であり、熱疲労耐性が重要となるロケットエンジン部品にも採用されます。
Inconel 939:高性能エンジン部品に用いられ、高温で良好な耐酸化性を示すため、燃焼ゾーン周辺の部品にしばしば使用されます。
CMSX-10、CMSX-486、CMSX-4:高温クリープおよび酸化に対して非常に高い耐性を持つ先進的な単結晶超合金です。ロケットエンジンのタービンブレードのような単結晶部品は、高温環境下でも優れた機械的特性の恩恵を受けます。
Hastelloy X:高温での安定性と酸化に対する耐性で知られており、ロケットノズルやエンジン燃焼ゾーンなど、高応力かつ高温となる用途で一般的に採用されています。
Hastelloy C-276:主に化学プラントで使用される合金ですが、高温腐食および酸化に対する高い耐性が求められるロケットエンジン部品にも適用可能です。
Ti-6Al-4V:ニッケル基合金ほどの耐熱性はありませんが、Ti-6Al-4V のようなチタン合金は、優れた比強度を活かして一部のロケットエンジン部品に使用されます。一般的には、エンジン構造など、極端な高温領域ではない箇所に採用されます。
Monel K500:Monel K500 のようなモネル合金は、優れた耐食性と中程度の高温特性が求められる特定のエンジン部品に使用されます。
Stellite 6B:非常に優れた耐摩耗性で知られるステライト合金は、高温での摩耗および腐食耐性が求められるバルブシートなどの部品に多く用いられます。ただし、ロケットエンジン全体で見ると、他の合金に比べて使用頻度は低くなります。
熱疲労耐性:ロケットエンジンモジュールは極端な温度サイクルを受けるため、Inconel 718 や CMSX シリーズのように熱疲労に対して優れた耐性を持つ合金が特に重視されます。
酸化および腐食耐性:Inconel や Hastelloy のような高温合金は、ロケットエンジンの苛酷な環境において酸化や腐食に対して優れた耐性を発揮するため、優先的に選定されます。
比強度(強度対重量比):構造部品では、軽量かつ高強度を両立できるチタン合金が好まれ、エンジン全体の質量低減に貢献します。
これらの合金が持つ高温強度、耐酸化性、耐疲労性などの特性により、ロケットエンジンモジュールに要求される過酷な性能要件を満たす上で不可欠な材料となっています。